内容の一部を掲載します。詳しい内容については、富山市議会ホームページをご覧下さい。
1.人口減少社会への対応について
問 人口減少の要因と対策ということで、何か市長のほうからお考えがあればお願いいたします。
◯ 市長(森 雅志君)
いつも言っていますように、もう10年ぐらい前からずっとそういうことばかり言っていますが、その時点から人口が減っていくということは予測がついていたわけで、2004年をピークに日本の人口は減少を始めました。平成24年度の調査で言うと、日本全体の人口は0.21%減っています。富山県の人口は0.54%減っています。富山市は0.2%減っています。減るのはとめようがない部分がありますので、あとは、せめて転入と転出の社会的動態がプラスで維持していけるようにするということです。
平成24年度は富山市はプラス300人です。でも人口は減る。それは、出生と死亡の差を埋められないからです。ここはなかなか難しい問題があって、国を挙げて取り組んでいかないと出生率はなかなか上がらないわけですが、せめて、特に若い世代が富山で働きたいという意欲を持ってもらえるような政策を総合的に打っていくということだろうと思います。いつも言っている口調、言い方どおり受けとめていただければと思います。
幸い、有効求人倍率は高いですし、富山に根をおろしている企業は軸足がぶれずにこれからもやっていただけると期待していますので、そういうことを中心に据えながら、魅力的な都市像というものを発信していくことが大変大事だと思います。
問 本市の政策として「お団子と串」の政策があるように、市全体の数だけのトータルではなくて地域的なトータルも必要ではないかなと思っております。そういう視点について市長はどうお思いですか。
◯ 市長(森 雅志君)
難しい課題ですが、さりとて、何もしないと全体で地盤沈下していく。ですから、一定の地域については、やはりにぎわいをつくり、人の動きをつくり、地域経済を動かし、そこに企業や民間が投資をして、雇用が新たに生まれて、そして吸引力を発揮するということは避けて通れないことです。
人口が右肩上がりの時代は、市域全体に平準的に予算を使うことや市域に一律均等なサービスを提供するということができましたが、既にそれはもうできない時代に入っているというふうに思っていますので、せめて一定の範囲にしっかりとした活力を生み出していくということがまず第一歩だと思います。
2. 旧総曲輪小学校跡地活用について
問 この事業者募集の具体的スケジュールあるいはその後の予算措置を含めた事業全体の進め方についてお伺いいたします。
◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)
事業者募集のスケジュールにつきましては、今月12日から募集を開始するということでございます。その後、9月17日には現地において事業者説明会を開催いたしました後、質疑応答の機会を2回程度設け、12月末に募集を締め切ることとしており、2月末には優先交渉権者を決定してまいりたいと考えております。
次に、予算措置等を含む事業全体の進め方ということでございますが、平成27年度当初予算において公共施設部分の買取りに係る予算を計上し、その後、財産取得に関する議会の議決をお願いしてまいりたいと考えております。
その後、平成27年秋の埋蔵文化財調査の終了をもって民間施設部分の敷地に事業用定期借地権を設定した上で全体の建設工事に着手し、平成29年2月ごろまでの竣工、同年4月の供用開始を目指しているところでございます。
問 コンパクトシティあるいはまちなかのにぎわい創出という視点から、この事業についての考え方というか、どういう取組みをされるのかお伺いいたします。
◯ 市長(森 雅志君)
1つは、中心部に実数として高齢者の方がたくさんいるわけです。一時期ずっと郊外に若い方々が出ていって残された高齢者、そういう高齢者世帯あるいは高齢者ひとり暮らしの世帯がたくさんありますので、そういう方々への訪問診療や訪問介護といったものの拠点施設を1つ持つことは、現にお住まいになっている方々にとっては大変重要なことだと思いますし、厚生労働省のベクトルも、こういう地域ケア体制をつくっていくということですから、まずプライオリティーとしては、ここを拠点にしていくのが一番優先度が高いと思います。
さらに、例えば医師会の看護学校はフルで入ると380人ぐらいの定数ですので、中心部に学校ができることは周辺への影響も大きいというふうに思います。あとは民間につくっていただく部分についてどのような機能を期待していくか、このようなものを呼べないかというようなことは今後の交渉の中で発信していくということだろうと思います。
いずれにしても、高齢者のこと、そしてもう1つは病児・病後児保育の施設とか、産後ケア応援室というように、若い世代がお子さんをお持ちになって、初産のときに頼る人がいなくてマタニティブルーになるという人が最近たくさん出てきていますので、そういう方々が親子そろって1週間程度ショートステイできるようなものもつくることによって、子育て環境全体に対する安心感を生む、発信するシンボリックなものにしていきたいというふうに思います。
3.(仮称)富山市ガラス美術館について
問 今回、グラス・アート・ガーデン作品制作業務の契約議案が提出されておりますが、展示する作品やその展示プランはチフーリ氏側から提示されたのか、されたのであればその内容についてお聞かせいただきたいと思います。
◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)
チフーリ・スタジオのほうからは、このほど具体的なプランが提示されたところでございます。それによれば、展示予定の作品としては、ガラス作品を天井一面に敷き詰め下から見上げる「ペルシャン・シーリング」、ガラス作品を小舟の上に盛り上げるように配置する「ボート」、それから吹きガラスを組み合わせた「シャンデリア」など、チフーリ氏の代表的なインスタレーションの中から5種類の展示様式が提示されております。
これらの展示プランとしては、6階フロアに間仕切りを設けて回廊のようにして、展示場所の一部を暗くすることで、幻想的でダイナミックな色彩が織りなす空間が感じられるような仕様になっているところでございます。
問 チフーリ氏に第2工房で展示作品の一つを制作していただいて、その制作するところを研究者の皆さんあるいは近間の小学生の皆さんにも大いに見ていただいて、ガラス美術に対しての造詣を深めていただく、あるいは美術館オープン前のPRを大いにされたらいかがかなと思うわけでありますが、そういう点についてはどうお考えですか。
◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)
実はチフーリ・スタジオから、チフーリ氏御自身が本市の「ガラスの街づくり」の取組みについて強い関心を示されており、「富山ガラス工房やガラス造形研究所のスタッフとのコラボレーションも視野に入れている」と伺っております。このことから、市としては、実現に向けてできる限りの努力をしてまいりたいと考えております。
幸いにして、コラボレーションが実現しましたならば、富山ガラス工房、とりわけ御紹介のございました第2工房における制作が大きなPR効果をもたらすものと考えておりますので、ぜひ多くの市民の皆さんに制作現場に足を運んでいただき、美術館の開館に向けてグラスアートガーデンへの関心を一層高めていきたいと思っております。
4. 放課後児童健全育成事業ついて
問 来年度から実施予定であります子ども・子育て支援新制度の内容について改めてお伺いいたします。
◯ 福祉保健部長(宮田 宜忠君)
平成27年度から施行予定の子ども・子育て支援新制度では、各事業の円滑な実施を行うため、市町村において子ども・子育て支援事業計画の策定が義務づけられており、放課後児童健全育成事業もこの計画に含まれることになっております。
また、児童福祉法の改正にあわせ、この事業における設備や運営の基準として、児童1人当たりの面積や従事者の資格及び人数などを条例で定めることになっております。
さらに、この新制度において、国では本年4月からの消費税率の引上げによる増収分を含めて、5年間で1兆円を超える財源が確保され、この事業には最大654億円の配分が予定されていることから、量的拡充と質の改善が図られるものと考えております。
問 ニーズ調査の結果に基づいて拡充が求められておりますが、具体的にそれに対してどういう対応をしていくのか、あるいはどういう計画をなされていくのか、具体的にお伺いいたします。
◯ 福祉保健部長(宮田 宜忠君)
ニーズ調査の結果、地域児童健全育成事業と放課後児童クラブの供給量の合計は需要量を上回る見込みであります。その上で、放課後児童クラブ単体で供給不足が生じる区域につきましては、当該区域や近隣校区において新たなクラブの開設を働きかけ、ニーズに応えていくこととしております。
また、地域児童健全育成事業につきましては、例えば午後5時から6時まで従事する指導員の人件費単価を増額するなど、実施時間の拡充に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◯ 市長(森 雅志君)
1点だけ申し上げたいと思います。
今までは私自身の考え方で、小学校3年生まではしっかり対応すると言ってきました。それはなぜかというと、4年生、5年生、6年生になったら、一人で親が帰ってくるのを家庭で待って、親が帰ってくる前に電気をつけて風呂を沸かしておくような子どもに育てていくことこそが大事だと思ってきたからです。
しかし、今、国の方針が大きく変わろうとしていますので、もし国の制度として小学校6年生までということになれば、当然、行政責務としてそこまでやっていくことになっていくということだろうと思っていますので、しっかり国の動きを注視して、遅れないように、もしそうなれば体制についても考えていかなければいけないと思っています
5. 農業改革について
問 農業委員会の改革、見直しがあります。このことについて森市長さんはどのように捉えておられるのか、あるいはこうあってほしいということがあればお願いいたします。
◯ 市長(森 雅志君)
市長部局ではありませんので、あまり行政委員会のことについて発言しないというのが私の基本的なスタンスです。
御質問いただくまで、実は農業委員会の改革ということについて不明にも知りませんでした。担当者から説明を聞きましたが、内容としては、今おっしゃったように、御質問にもありましたが、農業委員の選挙制度、議会推薦、団体推薦を廃止して、市町村長の選任委員に一元化するということ、さらに農業委員の定数削減と業務内容の見直し、そして農地利用最適化推進員(仮称)の新設などが柱だそうです。
今までの制度のどこが悪かったのか、どこに問題があったのかなどの出発点のところの議論の詳細を知りませんのでよくわかりませんが、何を狙ってそういうことをしようとしているのか若干不透明なところがあります。
恐らく国の農政全体の転換の中で、農業経営体の数そのものを、例えば30万か40万とか圧倒的に数を小さくして、しかし大規模化していく。TPPの絡みで競争力を持つ組織体をつくろうということが出発点なのだと推測していますが、しかし、そのことと農業委員会の選挙制度を廃止するということがどうしてつながるのか、何が効果するのかよくわかりませんが、閣議決定されたとはいえ、法律が出てきているわけではありませんので、これから農林水産省がどのような法案をつくっていくのか、アンテナを高くしていく必要があるだろうと思っています。
恐らく、自由民主党の中でも議論がいろいろ出てくるだろうと思いますので、そのことも含めて情報収集をしていきたいというふうに思っています。
問 人口減少社会の話もありましたが、とりわけ人口が減るのは都市部ではなくて本市においても農山村だと思います。今後、人口は著しく減少していくだろうと思いますが、こうしたときに、今農業の企業化、6次産業化などいろいろあります。そうしたときに、雇用の場を農業分野でつくっていく、あるいはそこに雇用を生むという考え方について森市長はどう思われますか。
◯ 市長(森 雅志君)
コンパクトシティ政策を進めると、円周部をどうするのかというときに、地域としてはやはり農業しかないと思っています。具体的に言うと、婦中で4ヘクタールぐらいの植物工場をやっておられる企業があって、あそこを見てきましたが、近所の方は自転車で、非農家の方も含めて働きに来ておられます。
今、婦中町吉谷でもっと大きいものをつくろうということで国の認定ももらわれましたので、全体で16ヘクタールぐらいのことを考えておられますが、1つのモデルになると思っています。
実はきのう、造成していらっしゃるところを見てきました。大変広大な面積ですし、農林水産省の話も詳しく聞いていますし、事業者から財源もめどが立ったように聞いていますので、こういうものを発信しながら、どんどん、そこまで規模が大きくなくても類似のものに広げていくことだろうと思います。
そういう意味では、エゴマの切り口もそこへ行くと思います。エゴマはオリーブオイルを超えてα-リノレン酸の含有量が多いわけですので、露地栽培の人が増えて油を取ることができれば、そういうものも商品開発につなげていくことができ、地元で雇用の場が生まれてくるということだろうと思います。
考え方としては、私は基本が農業、特に大規模化をしてそこで雇用につながる。自分は営農をやめたとしてもそこで働くという形で定着を図っていくことが大事だと思っています。
婦中町吉谷地内で進む「次世代園芸拠点施設」