内容の一部を掲載します。詳しい内容については、富山市議会ホームページをご覧下さい。
1.本市の文化創造都市ビジョンの策定について
問 文化創造都市についての思いを市長からお伺いします。
◯ 市長(森 雅志君)
これからの人口減少の時代に第三者の目から見て、あのまちはいいなとか、いわゆる外から見た総合力ということを高めようとするときに、文化施策というのは非常に大事です。富山ならではの文化性ということについて具体的な単年度単年度の予算を背景としながらやってきているわけですが、もう少しその憲法とも言うべき文化施策の底流を流れるものをしっかりつくり上げることが大事だと思いましたので、文化創造都市ビジョンというものを掲げたわけです。
この創造都市というのは、一時期ヨーロッパが衰退したとき、ヨーロッパの多くのところで「創造都市」という言葉が使われてまいりました。特に文化創造都市という意味では、フランスのナント市の取組みなどが非常に有名です。多くのアーティストがそれをきっかけに集まるようになって、市民の文化性も高まっていく。それが一人一人の誇りや自信につながって都市の発展につなげていく。そういう意味でぜひ富山ならではの文化創造都市ビジョンというものをつくっていきたい。
2.ミュージアムバス事業について
問 ミュージアムバス事業のこれまでの評価について、どう捉えておられるのかお伺いします。
◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)
平成17年の4月から本格的な運行を開始しておりますが、これまで毎年コンスタントにおおよそ1万6,000人を超える利用者がございます。こうしたことからも、市民の皆さんをはじめ、観光客の皆さんにも一定程度利用されているのだと思っております。文化スポットを巡回する市民に身近でしかも無料ということで手軽に利用できるバスとしての存在意義があったものと考えております。
問 ミュージアムバス事業を今年度末で廃止すると判断された主な理由についてお伺いします。
◯ 市長(森 雅志君)
このミュージアムバスは個人の方の御寄附で始まったものなのです。それを財源にバスを取得しました。そして、モナリザをデフォルメしたようなユニークな外観も、そのときからみんなで考えて運行してきました。いい取組みだったと思っています。文化施設を無料で巡回するということによって、市民の方々がそういう施設に足を運ぶ機会をつくっていくということで、やめるのは惜しいという気持ちもありますが、同じようなルートを民間事業者が事業として巡回するという御提案があった以上、民業を圧迫するわけにはいきませんので、民間がやっていない隙間をやってきたわけですから、それを同じような形で民間事業者である富山地方鉄道さんがやっていただけるということであれば、当然のこととして富山市の無料の巡回バスというのはやめなければいけないという当然の結論だろうというふうな思いで、報告を聞いたときから今年度いっぱいかなという思いで具体的な整理を当局側でやってきたということです。
3.ガラスの街づくりについて
問 市役所とグラス・アート・ヒルズ富山を結ぶシャトルバスを運行されて約1年半経過しますが、検証結果についてお伺いいたします。
◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)
平成25年の10月から運行を開始いたしまして、利用者は1,112人、1日当たりに直しますと平均8人でございました。利用者の声といたしましては、例えばホテル等に宿泊された観光客の皆さんの声を拾いますと、「ガラス工房へのアクセスが大変よかった」というような御意見もありましたが、一方で、市民の皆さんからは、「乗車場所が市役所の1カ所だけであったため、その点が不便であった」というような意見も聞かれたということであります。こうしたことが利用が伸びなかった要因であると分析しております。
4.幼稚園及び小・中学校へのエアコンの導入状況について
問 本市のこれまでの特別教室等へのエアコン設置状況についてお伺いいたします。
◯ 教育長(麻畠 裕之君)
今年度幼稚園の保育室と小・中学校の保健室への設置を完了したところでございます。小・中学校の普通教室以外の特別教室へのエアコン設置状況につきましては、小学校65校、中学校26校の1,223室のうち、現在エアコンを設置しているのは284室で設置率は23.2%となっております。
問 学校施設へのエアコンの導入について、今後どのように整備していくのかお伺いいたします。
◯ 教育長(麻畠 裕之君)
平成27年度の本市の小・中学校へのエアコン整備につきましては、会議室と防音等で窓を閉め切る必要がある音楽室、図書室、コンピューター室へ設置することとしております。小学校では柳町小学校など37校73室に、また中学校では堀川中学校など17校41室に設置することによりまして、今後大規模改修等を予定している学校を除き全ての小・中学校の音楽室、図書室、コンピューター室、会議室へのエアコン設置が完了することとなります。
また、普通教室につきましては、今年度小・中学校の普通教室の温度と湿度の測定や全国の小・中学校のエアコン設置状況を調べるなど教育委員会内で研究を進めてきたところであります。平成27年度は各学校の普通教室のより詳細な温度、湿度のデータを今年度より長い期間収集してまいりたいと考えております。
5.高齢者虐待について
問 高齢者の虐待問題についての相談件数や事実確認件数、またその傾向など、本市の高齢者虐待の現状についてお伺いします。
◯ 福祉保健部長(宮田 宜忠君)
平成25年度の虐待相談件数は、養護者による虐待が延べ2,771件、実人数で105人、要介護施設従事者などによる虐待が延べ55件、実人数で5人であり、平成24年度と比べ増加しております。
相談者別では、介護支援専門員からの相談が29.7%と最も多く、警察からが17.4%、家族、親族からが12.4%、被虐待者本人からが11.6%となっております。
相談、通報後の事実確認の結果、虐待と判断した事例は全体の約7割でありました。虐待を種別に見ますと、1つにはたたく、蹴る、無理やり食事を口に入れるなどの身体的虐待が39.7%、2つには、著しい暴言、拒絶的な対応などの心理的虐待が29.4%、3つには、財産を本人の意思、利益に反して使用するなどの経済的虐待が20.6%で、複数の種別が重なっている事例もありますが、身体的虐待が最も多く、概ね全国と同じ傾向を示しております。
問 高齢者虐待において、緊急性が高く分離が必要な場合、どのような対応がされているのか。
◯ 福祉保健部長(宮田 宜忠君)
高齢者の生命または身体に危険が生じている場合、慎重かつ迅速に関係者間で協議し、養護者との分離を行います。分離への支援、対応といたしましては、まず高齢者の意思や保証人の有無、経済力、要介護認定の有無などを考慮し、高齢者が安心して生活できる場を検討し、決定後、適切な生活の場を確保するための支援を行っております。
なお、分離すべき事態が夜間や休日にも発生し得ることから、本市では一時的に保護できる施設を確保し──緊急短期保護事業と申しますが、こういうことで緊急時にも対応できる体制をとっております。
6.農政・農業問題について
問 農家への支援として農家の収入が過去平均に比べて減った分を積立金で賄う収入減少影響緩和対策について本市の状況をお伺いいたします。
◯ 農林水産部長(上田 修正君)
本市での平成26年度における収入減少影響緩和対策の取組み状況につきましては、制度に加入している認定農業者等が213件で面積では市内水田面積の約30%に当たる約3,700ヘクタールが対象となっております。
支払額につきましては、コメの販売収入額と標準的収入額の差額の9割が国から支払われることとなっていますが、昨年12月末の試算では、富山県は60キロ当たりで約2,400円、10アール当たりで約2万700円になると算定されており、最終的にはこの3月末における販売収入額をもって金額が確定することとなっております。 また、交付金は、本年6月までに加入者に支払われる予定であると聞いております。
問 稲作農業の体質強化緊急対策事業について本市の現状をお聞かせください。
◯ 農林水産部長(上田 修正君)
稲作農業の体質強化緊急対策事業は、主に新たな取組みを行うことで生産コスト低減を図る農業者を支援する事業で、本市の取組みにつきましては、2月末現在で214件の申請があり、補助金の合計は約4,500万円となっております。
なお、本事業は、国からの周知期間が大変短く、生産現場に制度が十分浸透しなかったこともありまして、国の予算額約200億円に対し、国全体の申請額が2月末で約60億円にとどまっており、3月19日を期限に現在最終募集が行われているところであります。
また本市では、支援対象となる取組みを既に行っている農業者が多く、生産コストの低減のための新たな取組みを行うことは困難であったという意見も多くの農業関係者から聞いているところであります。
問 農地転用の権限移譲について、森市長からその考えをお聞かせください。
◯ 市長(森 雅志君)
農地転用権限の権限移譲というのは、地方6団体がこれまでも強く求めてきたところのものです。それから、私が議員を務めております地方分権改革有識者会議の中でも随分ギリギリとした議論をこの2年ほど続けてまいりました。その中で設けられた部会では、農林水産省とかなり激しくいろいろなことをやってきたということです。それから、地方の声を再結集しましても、やはり農地転用についてもう少し手続の迅速化をということは強く声が上がっていました。
そういうことを踏まえて、ことしの1月30日に閣議決定がされて、関連一括法が今国会に出されるということですので、恐らく議決されていくということだろうと思っています。
今までも2ヘクタールまでは都道府県知事に農地転用の権限がありました。2ヘクタールから4ヘクタールまでは都道府県知事に権限がありましたが、農林水産大臣との協議が必要とされていたわけです。この協議が要らなくなったということが非常に大きな改正点だろうと思います。しかし、4ヘクタール超のものは今までと一緒で、協議が必要だということです。少なくとも2ヘクタールまでと4ヘクタールまでの部分についてはかなり地元の目で判断ができるということが制度的には生まれてきました。さらに、このことについて指定された市町村は同じような権限が移譲されるという状況にあります。しかし、だからといって、転用の基準が緩むわけではないので、その本質において制度は何も変わっていないわけです。だから、そこをすぐにでも何でも簡単に転用できると受けとめていらっしゃる向きがあるとすると、そうではありませんということをこの際申し上げておきたいと思います。
一方では、東日本大震災以降失われた大量の農地というものがありますので、日本国土全体としてのマクロの優良農地の確保ということも大変大事な視点です。一方でこのことをにらみながら、もしも転用が必要であって、それが社会全体として妥当な転用であると制度的にも認められるというものであるとすれば、この限りにおいて今までよりもスピード感を持ってできるような改正となるように落としていくことが必要だろうと思います。マクロの視点とミクロの視点、両方をしっかり見ていく必要があると思います。